表参道通りを概観するとき,歩道幅を広げて,勾配を緩やかにすれば,パリに,“la plus belle avenue du monde”に申し訳ないくらいのコピーです.
並木も,店舗の質もそこそこ似ています.ですが,建築はやっぱり,日本は日本,パリはパリ,です.表参道でちょっと路地に入ると,シャンゼリゼの趣は微塵もありません. 表参道をシャンゼリゼ化させる向きには賛成できる面もあるのですが,日本で,特にああいう場所でやると,どうもごみごみしたりスケールが小さくて,エレガントにはほど遠いと思うのは僕だけでしょうか. シャンゼリゼの様に,歩道幅がもっと広くなるとすれば優雅の格も上がろうというものですが,識者内では,どうやらあれで十分広く取られている,と考えられているようです. 日本人向けのシャンゼリゼ,ということなら,その向きでいいのかもしれません. 歩道幅といえば,福岡は,「ここ日本ですか?」と思わずツッコんじゃうくらい,車道並みに広く取られた通りがあったりして,好感が持てます. 地下街も,よくある硬質な壁面の通りではなく,昭和の薫りある落ち着いたデザインになっていたりして素敵です.地下なのに昭和的街灯が灯っていたりとか,昭和的緑で彩色されていたりとか,柱がゴシックであったりとか.そこに住んでもいいんじゃないですか? あるポスターに,「福岡は,ニューヨークにも,ロサンゼルスにも,シカゴにも負けない」とあったのが印象的でした. 確かに,街をいろいろと見ていると,東京や大阪の中心街のように,古くから開発が進んできて飽和状態,というものよりも,もっと自由で,新鮮で,シックなエリアが多く,何か,「新しい中心」を感じさせるものがあります. ただ,開発を急ぎすぎて何かと分断が激しいエリアも見受けられましたが. 最近の,特に素晴らしい建築を一つ挙げるとすれば,やはり九州国立博物館でしょう. まず,立地が憎い.有名な太宰府天満宮を抜けてすぐのところに巨大なエスカレーターを設け(野ざらしではありません.これも一つの先進的な建築です),スムーズな集客を狙います. 坂道を抜けるルートもありますが,太宰府天満宮を歩いた後に九州国立博物館,というルートが人気で,開館半年にしておよそ130万人が訪れたそうです. 東京国立博物館で年間100万人,京都・奈良国立博物館はそれぞれその半数に満たないと聞きますから,開館初年度であることを考え合わせてもこれは驚異的な数と言っていいのではないでしょうか(実際,開館一ヶ月の来客は17万人を見込んでいたようですが,予想を大幅に上回る40万人が訪れたようです). 建築についてですが,160mx80m最大高36m,曲線で構成された巨大な箱(蒲鉾型),と言った外観で,そのサイズにして威圧感を覚えません.中に入ると,縦横に大きく開けた空間が広がり,天井の滑らかな曲線と硝子越しの光,壁面の様々な大きさを用い印象を吸収させる格子紋様も手伝って,むしろ室内の方が伸びやかで清々しく感じるほどです.展示室までの経路は合理的で,エスカレーターを昇ればすぐ入り口・出口,更に昇ればまた入り口・出口となっていて,煩わしさもありません. 館員の人柄も手伝ってか,何の嫌みもなく,ただ洗練され,心地いい気分のなか,充実したコレクションを堪能できる,素晴らしい博物館だと感じます. 福岡に住むのもいいのかな,なんて思います.ラーメンだけの街じゃありません. ▼記事に満足したらここをクリック▼ ブログランキング [ランキングオンライン] スポンサーサイト
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リンクありがとうございます.
やっぱり着物は素敵です. 僕もメカさんが言うように,日常に取り入れてみるのも面白いかもしれません. やってみたいと思うことはまだまだあるものですね. これからもよろしくお願いします.
【2006/06/21 06:33】
URL | 玄晟(管理人) #5bwaSGmE[edit]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
【2006/06/06 16:45】
| #[edit]
リンクさせてもらいました。
私にとって初のリンクです。 これからもどうぞよろしく
【2006/06/05 13:55】
URL | メカ #-[edit]
この記事をわかりやすく書けてよかった.
うん,ラーメンだけじゃない. でも,腹が減ったから,もう一度食べに行くよ.
【2006/06/03 16:43】
URL | 玄晟(管理人) #5bwaSGmE[edit]
全部ちゃんと読めなくてもめちゃ分かったよ。^^
本当の私のコメントは、最後の文章についてのこれだけ: でしょう~~~~~?
【2006/06/02 18:12】
URL | 茜 #-[edit]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
【2006/06/02 16:29】
| #[edit]
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玄晟. |
Training and the experiment on various creative activities with Philosophical/Thought Poetry at the top. 哲学/思想詩を筆頭に創造的諸活動の訓練及び実験を。 |
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