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「カレーの市民」像 於 Calais市庁舎前
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百年戦争時のCalaisの苦悩を偲び、7人目になってみました。

1347年、イギリスの進行を許すまいとCalaisは街を閉じ、一年間にも及ぶ抵抗を続けましたが、当然食料は底を尽き、このままでは街は倒れる、それは避けねばならない。そこでCalaisは、イギリス側からの提案を呑み降伏するという選択を取ります。
イギリス王エドワード三世の提案とは「街の鍵と、市民六名を差し出せ。さすれば無益な殺生はしまい。」という旨。
ここでカレー市の、何も特別な地位に就いているわけでもない、しかし勇気ある六名が、自らの命と引き替えに街を守る、と名乗り出ます。
と、ここまでがよく語られる話ですがこれは神話ではないので勿論続きがあります。

死を決意し街を出た六名ですが、ここで、彼ら英雄を死なせはしまいと、フランス女王(かどうかは記憶が定かではありませんが王家の女性です)が泣いて嘆願します。
「彼らの勇気を見よ、イギリスはこれをも討ち街を落とすのか」
エドワード三世は、イギリスは悪魔ではなく、彼女の想いは通じ、彼ら英雄は解放されます。
そうして500年後、Calaisの委託で、この自らを犠牲に街を守った英雄的市民達、ロダン作「カレーの市民」像が造られるわけです。

結果的に彼らは死を免れるわけですが、しかし街を出た段階で殺されることは確実、策を弄したとしても劣勢にあるフランスですから強行的に処刑、となるのも全く自然です。
何に感謝すべきかは種々ありますが、何よりも重要なのは、彼らの超人的選択、その英雄的精神です。
宗教に盲目となっていたわけでもない、国家に命を捧げる兵でもない、地位ある人間ならば英雄的死を誇りと出来るかもしれない、ですが彼らは、死ぬ理由も殺される理由も持たぬ、単なる市民です。
彼らにとって、この選択の重さはどれほどのものだったでしょう。
精神の偉大とは、こういった態も取るものですね。


実物を見ればすぐに気付くと思いますが、彼らの手足は、実際の人間に比べ非常に大きく造られています。
服はぼろきれと言ってもいいようなものを着ていますね。
おそらくロダンの主眼は、苦悩ではなく、苦悩もする全く普通の市民の、英雄的精神であったのではないかと思われます。
それが体全体を覆う惨めな服と、反語的なあまりに力強い手足、そして苦悩とある大いなる意志を湛えた表情に現れている、と言えそうです。
市民の目線、ですがよく見て下さい、彼らは確かに、大いなる何かを見詰めています。

「Calaisは英雄像を委託したがロダンは苦悩を表現してしまった」というのが通説でしょうが、お解りのように僕はこれに反対ですね。
苦悩しない筈がないでしょう。彼らは全く普通の市民なんですから。
それを越えたところにある偉大な精神、それをこそ見詰めなければ、この作品に触れたとは言えないのではないでしょうか。
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Theme: 写真 - Genre: 学問・文化・芸術

【2007/03/21】 | sur la France | フランスについて | trackback(0) | comment(0)
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玄晟.


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玄晟
  • Name:玄晟 (Genjou)
  • Male. Twenties.

    No Love, No Creation.

    O Cosmos, the motherless space
    That contains the whole of art and nature.
    My spirit settles down into an abyss with you.
    In the time, named the first half of love,
    This tranquil chaos is shining all around and
    Losing all the darkness.

    O Cosmos, now you and I become half sides of the creator.
    The universe undulates and gives me a love.
    The mortal overtakes the point of the wave and returns you a creation.

    O Cosmos, we are going to the end of the creation.
    We know when our world ends, but are affectionate to the fate.
    Let us create precious matter with existing partners until that time,
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