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貞潔なる潜行
信じたい、と想うことを数ヶ月前から始めた。
無数の嘘と嘲笑と白眼をかいくぐって、漏れ出た幽かな白光こそが「信じたい」と欲する対象なのだろうと、それこそを否定するこの胸に深々と根を張る多勢を押し退け、掴もうと、泳ぎ方も知らぬのに、蛇行しながらも、弾き戻されながら、海底に叩き付けられながら、嵐のような汐を、どす黒い敵対者達を、掻き分け、ばたつき、進めたかどうかも、わからぬのだ。

空が遠い。
疲れ果て、底に寝そべっても、恐怖しか想わせない影たちが泳ぎ回り、冷たい陽を撫で、やはりこの身を休ませてくれない、痛め付ける、泥が舞い上がり、体は僅かばかりであろうか、浮き、流され、世界の中心にまで否定される、揺らめきにすら戦慄き微笑む眼であっても、喜ばせてはならない。

俺はまた、敵対者に無頓着でいることを強要された。掻き消さず、突き崩さず、失神させることも許されぬ。むしろ、できれば、否、愛せ、でなければこの海はその海とあの海となるだろうと宣告された、この遊泳者は、条件を突き付けられたという新たな絶望のなか、進むことを、強要された。
海の名は、ただひとつでなければならない。そう、我が理想は、怒れる海に利用されることにいま、活きるのだ。

不穏だ。どこまでも不穏が切迫する。胸は、ぽん、くちゅ、と小さく鳴いて溶け落ちそうだ。躯は、萎縮し、硬直し、軽々しいごく軽い攻撃に震撼せずにいられない。生きながら固い昆虫として死に果ててゆくような心地だ。

シェルターは眠りのなかにこそある、だから眠ろう、すると、夢は夢とはならない、必死に千慮する己を体験する、或いは死ぬために山を登るストーリーから抜け出し、目覚めたとき、まず「死にたい」と想う。

何が誤りであるだろう。この望みか、望むこころ、決して消失点に届くことのない意志、樹海の木々を想わせる動機、鎮座し、厳かに立ち上がったかと想えば神速で組み変わる観念、望みを持つこともしなかった、しかし裏切りによって反語的に望まれてしまった過去、愛...愛、愛?

いっそ、浮上すれば、木々の囁きの懐かしい岸に還れば、望みを放棄すれば、何かそれらしそうに想えた真理らしいそれ、を、どこにもそんなものはなかったと恍け顔で掴み損ねたなら、安逸の語らいが戻るのだろうか。

どこだ、どこが俺の生だ。

答えは、肉という肉を食い千切られたあと、ほんのひとつ中手骨に落とされる真理であればいい。肉は、いくらでも増殖する、気を遣るな。骨は紛失せねばいいだけのことだ。精神の座も、どんな激震に遭おうと所詮は一過性の厄災だ、永くはかからない、死者が多く出たとしても生者は戻る、そう、かつてない逞しさの生者達が!

俺は、止めない、諦めない。神仏に、砂粒に、念じることもいい、意味も価値も無用だ、ただそこに辿り着ければ!


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10/10
タイトルを「最も過酷な道程」から「貞潔なる潜行」に変える。

読者は、好きに読み込んでくれればいい。
だが、ここまで書いて、全く誤解されることが有り得るのだと、甲斐が無いどころか、有害である。
作者からの注解など、一切ないのが良い。
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Theme: 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など - Genre: 学問・文化・芸術

【2005/10/02】 | Japanese Poetry | 哲学/思想詩 | trackback(0) | comment(2)
<<「愛せる印象」から始まり愛へ その遍歴 | home | 「黒」>>
Comment
最後の一節は、文脈を無視するなら、僕の思想とは対極にある考えからの文章と言って過言ではないでしょう。
ただ、この詩における、僕の精神が辿る過程においては、その困難な道のりの先にある目的を達成できるなら、その絶対的価値故に、僕にとってその他の大切なことは度外視していける、と言い放ちたかった、そういう訳です。
滑稽に見えるなら、狙い通りと言えます。

作者としては、ここで、信じたいものは明白に、ただひとつです。
その対象を、「これかもしれない、あれかもしれない」と探すことはこの過程に含まれていません。
僕はこの詩を『存在の耐えられない軽さ』の改訂版であるとさえ考えています。

そういう事情はありますが、鼓太郎さんのコメントには、いろいろと考えさせられるところがありました。
ここに、書くべきだと思われるその一端を書きます。

鼓太郎さんの書かれたことは、ひとつの真理と言えるものかと思います。
何度もこういうことを考えたことがありますが、人は、何かを信じずにはいられません。
全ての時間に全てを否定するような人間であっても、その思考の一瞬一瞬を、信じているのです。
「何も信じられない」と悩むとき、人は、考えます。考え、「真実」らしいものを掴めたときには、安堵します。それを信じて、依っていられますからね。

自己愛は、はじまりであって、終わりではない、と考えています。
最後まで自己愛に縋る人間は、それまでの人間、もしくはそういう人間なのです。
無論、思索の過程では「やはり自己愛こそ...」と考えられることもあるのは自然でもあります。
ここで想起せねばならぬのは、現代社会に蔓延する誤った「科学」信奉によって、「自己・種の保存」という原理こそが愛の原理である、と盲信する非・哲学が大手を振って罷り通っている現実です。
科学は、真理であると同時に、蓄積に過ぎません。
哲学も、真理であると同時に、人類に共有される、という視座からすれば蓄積です。
愛の行方、は、未だ誰も到達し得たことの無い秘境です。
だからこそ、僕は考え、実践します。

新しい疑問が湧いてきました。ありがとうございます。
もっと、面白いものを書く自分になっていける予感があります。
【2005/10/05 01:16】 URL | 管理人 #5bwaSGmE[edit]
それでも人は信じることや自分の意志で何かを愛することをやめたくないと思う生き物だと思います。
感情を殺した方が楽だと知りながら、気が付くと自分のコンパスが働いて茨の道を歩いていて、それは愛すべき自分だと思えるようになってくるのかも。


…例によって拙い言葉、すみません。
【2005/10/03 20:12】 URL | 桜井鼓太郎 #tMEs2SJE[edit]
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玄晟.


Training and the experiment on various creative activities with Philosophical/Thought Poetry at the top. 哲学/思想詩を筆頭に創造的諸活動の訓練及び実験を。

Author

玄晟
  • Name:玄晟 (Genjou)
  • Male. Twenties.

    No Love, No Creation.

    O Cosmos, the motherless space
    That contains the whole of art and nature.
    My spirit settles down into an abyss with you.
    In the time, named the first half of love,
    This tranquil chaos is shining all around and
    Losing all the darkness.

    O Cosmos, now you and I become half sides of the creator.
    The universe undulates and gives me a love.
    The mortal overtakes the point of the wave and returns you a creation.

    O Cosmos, we are going to the end of the creation.
    We know when our world ends, but are affectionate to the fate.
    Let us create precious matter with existing partners until that time,
    Over and over.
..............................................




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